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ロンドンでいけばな

草月流

筆者の元にあるメッセージが6月にあった。それはロンドン北西部にある某カトリック学校、Six form*の生徒さんからだった。

*Six form シックスフォームとはセカンダリースクール(11歳から16歳が通う学校)を終え、大学に進学するために入学する準備コース

どうやらシックスフォームのブログラムの一環で生徒が自分の興味がある会社に問い合わせをし、実際の会社で1週間インターンをするというもの。

こちらとしても規模も大きいわけでもなく、学べる事も数しているがそれでもいいかと確認し、実際に彼にはレポーターとして日本の伝統文化の1つである「いけばな」、草月流を一緒に体験し、それに付いて彼なりの意見を書いてもらうことにした。

今回、このような面倒なお願いを快く受けてくれたいけばなの先生は草月流を23歳の時に始めたという、オウェン広美先生。筆者自身も先生のお教室を訪れるのは初めてでありパトリックくんと同じくらい実は緊張していたかもしれない。住所を辿ってお教室だと思われるドアベルを鳴らす。すぐにドアが開き、屈託のない万遍な笑みの広美先生に迎えられ、パトリックくんの緊張もほぐれたに違いない。今回は9月に正式に発足するいけばな教室のトライアルという形で行われ、私たちの他にもう一人日本人女性の生徒さんがいらっしゃった。

まずは草月流の説明。正直いけばな初心者にはどの流がどう違うかなど今まで考えた事もなく、広美先生の分かりやすい説明で草月流がとても斬新な流派であり、丁度今年が創流90周年にあたるめでたい年であった。たまたまといえ、このような節目に生まれて初めてロンドンで草月流に出会うというのは縁としか思えない。1927年に初代家元勅使河原蒼風によって創流され、自由で前衛的な作風を特徴。その流派の通り家元自身も斬新な方だったのであろう。

いけばなの歴史を学んだ後は実践。

先生にお手本を生けてもらい、各自教科書を見ながら自ら生けるのであるが。。。枝の選び方、枝の長さを調整、剣山の刺し方、花の向き。。。うぅ、何か違う。。非常に違う。。自分の作品が全く見た目がイケテナイ!

結構、美的センスは自分でもあると信じていたが、これほど難しいとは。。。先生にお直しをして頂き、自分のイケテナイいけばなが少し先生のお手本に近い状態に。最後記念に写真を撮り終了。完全にいけばなの見方が変わった日であった。

パトリックくんから見た日本のいけばな体験はこのような感じであった。

”いけばなクラスはとても興味深いものであり、自分が今まで経験したアートとは全く異なった世界であった。最初、見た目はとてもシンプルだと思ったが実際に生けてみると日本のアートというものが長い月日を掛けて習得するものだと知った。1つ特に驚いた事は先生が何一つ定規のようなものを使わず、手で長さを測っていた事だった。しかしそれはとても正確であった。今回の日本のアートはまさしく人生において経験すべきものだったと思うと同時に長い年月を掛けて習得し、自分のものにしていかなければならないのも事実であろう。”

草月流いけばな教室の詳細は以下の通り。皆さんもロンドンで草月流を習得し、お家や特別な日にご自身で素敵に生けられるようになってはどうでしょう。

Hiromi Owen (高橋広美)

北海道生まれ、親の転勤で道内6つの町村で幼少期を過ごす。大学進学と共に上京、卒業後銀行に就職。友人に誘われ就業後草月に出会い、花道の世界に引き込まれる。1996年結婚、ニューヨークでひと夏過ごし、ロンドンに移住。ロンドンでは草月の清先生の門下生に。

翌年より日系企業の派遣業務をこなしながらアートクラスを受講し、2003年ウェストミンスター大学ミックスメディアファインアート科に入学、2004年セントマーチン大学BAに入学し直す。2007年卒業。2016年草月流いけばな一級師範総務取得

3年前から草月ロンドン支部に所属し、2年前からコミッティメンバーに。

支部の会員は40人前後、年齢層も高く、若い人が少なく、

ヨーロッパの中でも大都市ロンドンにしてはあまりにも小さな団体です。

少しでも多くの方に、特に若い年代の方にもいけばなの素晴らしさを知ってもらいたいと思い立ったのが去年、

それから少しずつ準備をし、今月よりトライアルレッスンを開始し、ご好評を頂いております。

ロンドンのIkebana Internationalにも去年より所属しています。

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