イギリスで教育しよう!ガーデン・サバーブ・スクール その2(親の話)

24.04.2018

ガーデン・サバーブ・スクール その2(親の話)

 

 

 ガーデンサバーブでの長女の友人の両親達は私の好きな方たちばかりだった。皆、親としての愛情を十分子供に注いでいた。長女を安心して預ける事ができたし、遊びに行った長女を迎えに行った時等はお茶に呼ばれて会話を楽しんだ。しかしながら、親達だけで一緒に映画を観たり、オペラや、演劇を観たり、また家に食事に呼んだりするような友達は出来なかった。それは既にそういう関係は長男と次男の友人の両親達との間にできていたので、友人を特に必要としなく自分からあまり努力しなかったという理由が大きいが、実際、私の専門のオペラに興味のある人はガーデン・サバーブにはいないようだった。

 

 学校の教育として印象的だったのは人間生活の基本の教育に力を入れていることだった。例えば、盗みをしたらいけない、人には優しく接するように、外から帰ってきたら手を洗う、こういったことだ。また前述の通り、人種のるつぼであるロンドンの小学校らしく、自分と違う宗教の信者や異なる文化に対して寛容な態度を取るように子供達に教育していたことも特徴だ。長男と次男が通っていた私立の学校ではそういうことよりも学問にもっと力を入れていたと思う。生きていく為の基本は家庭で教育するのが当然とされているのか、あるいは学校は学問を勉強する所だと思っているのか良くわからない。ただ、学業の方は3人目ということもあり、また日本の小学校も英国の小学校にも子供を通わせた経験から、長女の学力に関して私は全く心配していなかったので、むしろ人間生活の基本を学校で教わったのは長女にとって良かったと思う。ちなみに長女の学業についてはYear 3とyear 4 では、算数は成績順に3つに分かれたうちの真ん中だったが、公文のお陰でyear 5では一番上のグループになり、特に九九が出来たので、掛け算の競争は一番だった。

 

 長女にとっての学校生活は、宿題のないのびのびした環境で、親の私にとっても楽だった。これは公立ならではのできごとで、英国の私立校に5歳の頃から通っていた長男と次男は、7,8歳の頃から常に宿題や試験に追われている毎日だった記憶がある。教科数も多くフランス語は5歳の頃から始まっていたし、11歳になったらラテン語や古代ギリシャ語なども勉強していた。いつも勉学に追われるので、子供達にはストレスがかなりかかる。それは間接的に親にもストレスがかかってくることを意味する。なぜなら子供達が放課後に家に戻ってきてから就寝時間までの間は限られており、その間に習い事や、友達との遊びの約束に加え毎日複数の宿題や試験勉強をこなすには時間配分を考慮した準備や計画が必要となり、親がそれを担当することになるからだ。更に子供がその計画に則って行動しない時は日課がこなせなくなり親のストレスになる。服装に関してもガーデンサバーブの制服はポロシャツとトレーナーで動きやすそうだった。それに比べて息子たちは、5歳の頃からネクタイにスーツといういでたちで毎日学校に通い、放課後には同じ格好でサッカーをして走り回っていた。それを当たり前のように毎日眺めていたが、スーツにネクタイ姿でサッカーをする子供達の姿は窮屈以外の何物でもないような気がする。ゆったりした環境で小学校時代を過ごすことができたという点で長女をガーデン・サバーブに通わせてとても良かったと思う。 私立校と公立校の教育の違いが大人になってどのような違いとして出てくるかといったら私にはわからない。日本の私立校に比べても桁違いに高額な英国の私立校の教育が金額に見合うだけ優れているのか、また必要かどうかの判断は個人の見解によると思う。(続く)

 

 

 

*学校区分の日英比較は大体下記のとおり。(英国日本婦人会発行『ロンドン暮らしのハンドブック』2017年5-8改訂版p。35参照)

 

 

Miho Uchida/内田美穂

聖心女子大学卒業後外資系銀行勤務を経て渡英、二男一女を育てる傍らオペラ学を専攻、マンチェスター大学で学士号取得。その後UCLにてオペラにおけるオリエンタリズムを研究し修士号取得。ロンドン外国記者協会会員(London Foreign Press Association)。ロンドン在住。ACT4をはじめ、日本の雑誌にて執筆中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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