『ONE GREEN BOTTLE』at SOHO THEATRE

01.05.2018

 

 

Hideki Noda Production 'ONE GREEN BOTTLE' 

野田秀樹作品『ワン・グリーン・ボトル』(オリジナルタイトル:『表に出ろいっ!』)

ソーホー・シアター

 

27 April - 19 May 2018

 

SOHO THEATRE

www.sohotheatre.com

020 7478 0100

 

 

 

作・演出・出演:野田秀樹

英語翻案:ウィル・シャープ

出演:キャサリン・ハンター/グリン・プリチャード

演奏:田中傅左衛門

舞台美術:堀尾幸男

主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)

企画・制作協力:NODA・MAP

オフィシャル・エアライン:ANA

 

 母親役の野田秀樹と父親役のキャサリン・ハンター ©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 

日本の伝統芸能である能役者家族3人の物語。飼っている犬のプリンセスが出産間近であり、誰か一人が家に残ってプリンセスの世話をしなければいけないが、その夜、3人はそれぞれ外出する理由があった。さて、一体誰が自分の予定を諦めて家に残るか?! 一晩で生まれる家族関係の崩壊?!それをコミカルに演出している作品である。元々のオリジナルタイトルは「表に出ろいっ!」であり、翻訳は日本人の母を持ち8歳まで日本在住だったイギリスでも話題になっている脚本家、ウィル・シャープ氏を起用。どうして英語タイトルが’One Green Bottle’ になるかかなり不思議であった。しかし最後まで舞台を見ていくとその謎が解ける。俳優にはイギリス人であるキャサリン・ハンター氏とグリン・プリチャード氏。両氏は以前にも野田作品に出演しており息の合ったやり取りを見せてくれた。

 

 母親役の野田秀樹と父親役のキャサリン・ハンター ©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 

まず客席に着き、目に飛び込んでくるのは煌びやかな舞台セット。数多くの野田氏の舞台美術を担当しているのは日本一、いや世界一の舞台美術家、堀尾幸男氏である。彼の今回のコンセプトは「金唐革」。「能」という伝統芸能と「金唐革」という伝統工芸とロンドンで公演するという「西洋」の3つの要素を取り入れたデザインとなっている。

堀尾氏のインタビュー記事は後日)

 

鼓の厳かな音色と共に歌舞伎囃子方、田中流十三代家元である田中傅左衛門氏の低く重厚な謡(うたい)が響き渡り、能の舞台では欠かせない橋掛りを通って役者たちが登場する。日本古来の伝統とはほど遠いような奇抜な衣装と役の設定に驚かされる。まず男女が入れ替わっているのである。母親、ブーは野田氏が演じ、父親、ボーはキャサリン氏、そして娘のピクルスはなんとグリン氏なのである。そして紫に髪を染めた携帯ばかりをいじっている十代の娘は今どき、どこにでもいそうな感じでもある。話の展開はかなりテンポが早く、観客は絶えず笑っているほど、セリフや演技が面白い。しかし同時に現代社会の問題を提起 - 人間のレゾンデートル(=存在理由)を思索する哲学が廃れ、生きる価値を見出した先に宗教のように「趣味趣向」に「はまる」という現象 − 偏愛、その歪みにも気付かず疑うことすらしない。笑いながらも笑えなくなっていくストーリー展開。シーンの移り変わりも良く工夫されており、照明が落ち、真っ暗な中でも役者は演技をし続けるなど全く最後まで飽きさせない舞台であった。このお話の結末がどうなるかご自分の目で是非ご覧いただきたい。

 

歌舞伎囃子方 田中流十三代家元 田中傅左衛門 ©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 娘役のグリン・プリチャード ©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 母親役の野田秀樹と父親役のキャサリン・ハンター ©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 母親役の野田秀樹と父親役のキャサリン・ハンターと娘役のグリン・プリチャード

©️J News UK, Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 

野田秀樹氏

1955年、長崎県生まれ。劇作家・演出家・役者。

東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授。
東京大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結成し、数々の名作を生み出す。
92年、劇団解散後、ロンドンに留学。帰国後の93年に演劇企画製作会社「NODA・MAP」を設立。『キル』『パンドラの鐘』『オイル』『THE BEE』『パイパー』『ザ・キャラクター』『南へ』『エッグ』など次々と話題作を発表。故 中村勘三郎丈と組んで歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』『野田版 鼠小僧』『野田版 愛陀姫』の脚本・演出を手掛けるほか、海外の演劇人と積極的に作品を創作するなど、演劇界の旗手として国内外を問わず、精力的な活動を展開。
09年10月、名誉大英勲章OBE受勲。09年度朝日賞受賞。11年6月、紫綬褒章受章。

 

 

 

 

おまけ:

SOHO THEATREはWAGAMAMA(日本食風レストラン)と提携し、舞台が始まる前後、ゲストやプレスにお酒と料理をおもてなし。なかなか粋な計いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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