Noritake Kinashi: Solo Art Exhibition - moment -
木梨憲武氏、ロンドンで初個展
Kinashi Noritake Exhibition in London ©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
木梨憲武氏。日本人ならば誰もがその名を知っている。80年代、お笑いコンビ「とんねるず」でブレイク、その後、彼は歌手、俳優、声優としても活躍、そして近年、創作活動も行っていて、まさに多才、マルチアーチストだ。日本国内では既に数多くの個展を開き、今回、ロンドンでの個展は初となる。展示は6月21日(水)から24日(日)までの4日間であった。テーマは「REACH OUT: リーチアウト」。これは彼のアート・シリーズであり、手をモチーフとして描き、または形にして「人と人との結びつき」「手を伸ばして繋がり、助け合う」というのを表現している。
個展が一般公開される数日前にロンドン市内の別のところでトークイベントが行われ、イギリス在住の木梨氏のファンが数百人会場に集まり、彼の作品と共に彼のユーモアたっぷりのトークを楽しんだ。紹介されたスライド写真の中に、彼が当時番組ロケ中に、下書きなしで、線だけで描いたというパリの風景画や、ロンドン個展では見ることができなかった作品も紹介されていた。そのパリの風景画は日本製マーカーを3本使用し、現在も尚、色あせることない、日本製は素晴らしいと言うと、会場はどっと笑いに包まれた。
実際に個展で彼の作品を間近に見た人ならば感じることかもしれないが、何か心の温かみというか、彼の自分以外の人に対する思いやりが、作品に滲み出ている気がした。だからこの「リーチアウト」シリーズが生まれたのであろう。ほんの数分だけだったが、木梨氏ご本人と話をすることができた。彼は「自分の周りのスタッフや、友人、家族などに助けられて今の自分がある。お互いに助け合いは必要」と強くおっしゃられたのがとても印象深い。展示されているものは彼の最新作であり、数日前のトークイベントで、観客の前でライブドローイングをした絵も飾られていた。
会場となったギャラリーは、イギリスの下町、ショーディッチという地域、若者の集まる、最新トレンド発信の地である。グラフィティアートなどいたるところにあり、街自体がアートとといえよう。たまたま通りがかった現地の人たちは興味深そうに足を止め、作品の一つ一つに見入る光景もあった。
木梨氏はこのロンドン展直後より、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの間に、国内14カ所で展覧会を開催する予定。是非とも世界中に彼の作品をリーチアウトして頂きたいと思う次第である。
Kinashi Noritake Exhibition in London ©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
「REACH OUT」©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
真剣な眼差しで絵に見入る人 ©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
「REACH OUT」©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
「REACH OUT」©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
様々な形の手に切り抜かれ、巧妙に配置されているディテール(木製)©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
トークショーでライブドローイングの絵 ©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
「REACH OUT ハット」©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
個展会場:31 New Inn Yard Shoreditch London EC2A 3EY
芸術と若者の街:ショーディッチ ©️Photo: Chikako Osawa-Horowitz
木梨憲武
http://www.kinashiten.com/
1962年3月9日東京生まれ、お笑いタレント、歌手、アーチスト、声優、俳優。1980年代「とんねるず」結成後、一気にお笑い界のトップスターへ。その中、音楽活動、俳優活動も意欲的に行い、近年では創作活動にも力を入れている。現在に到るまで数多くの個展を国内で開催、2015年にはニューヨーク、そして今回のロンドン初個展となる。