Wedding Ceremony in England
英国での結婚式
(c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
先週末、知人の結婚式に参列した。会場となった場所はケント州東サセックスにあるアシュダウン・パーク・ホテル&カントリークラブ。ロンドンからは車で約1時間半。
このホテルが素晴らしく素敵だった。186エーカー* の敷地内に城のようにそびえ立つ建物には106室の客室の他、チャペル、ジム、スパルーム、多目的利用の部屋がいくつもある。3つのゴルフコースもあるため、泊まりがけでコースを楽しむ人も多い。又、ビジネスミーティングとしても利用されている。
(*東京ドームは約11.6エーカーなので、約16倍の広さ)
アシュダウン・パーク・ホテル&カントリークラブ (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
ロンドンに住み18年目であり、3度の結婚式に参列。三者三様、1つも同じ形式の結婚式はなく、オリジナリティに溢れていた。1度目は北アイルランド人とイギリス人との結婚式で、カトリック教会で行われた。2度目は新婦も新郎もイギリス人、無宗教結婚式。そして3度目の今回はドイツ系スコットランド人と南アイルランド人の結婚式で、無宗教結婚式であった。それでも新郎とベストマン** はスコットランド伝統の衣装であるキルトを身につけていた。キルトとはタータンチェック柄、日本では女子学生の制服のスカートにもなっているが、スカートのような布を腰に巻き、ハイソックスを必ず履く。そして腰から重みのある鉄製の枠でできた皮袋のようなものをぶら下げており、これは財布などを入れるバッグであった。
(**ベントマンとは新郎の親友であることが多く、セレモニー中に結婚指輪を渡したり、付き添い、世話役係のこと)
新郎のスコットランド伝統衣装 (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
前回2度は冷たい雨の中での挙式であったが、今回は暑いくらいの晴天だった。
式が始まる前、参列者は各自バーでビールやワインなどを飲み始める。何といっても、週末の午後の暑い日差しの中で飲むビールは格別美味しく感じる。全員ほろ酔いになったところで、式が始まった。花嫁の入場曲はポップだった。彼女の可愛いらしい性格にぴったりの曲で、父親のエスコートで入って来た。一般的にはここで厳かな曲が流れ、本人も参列者も緊張感が出るものだが、この曲によって会場が一気に和み、アットホームな雰囲気に変わった。そして、終始、新郎新婦はお互いの顔を見ながら、ニコニコ笑顔が絶えず、誰もが幸せな気分を味わう中、式が終わる。実は参列した3度とも新婦の入場曲はポップだったことから、今の若者の流行りなのかもしれない。
チャペル内のオルガン (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
チャペル (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
それから、ホテルの従業員の指示で、皆、建物の外に出ておしゃべりをしていると、シャンパン、ピムズ、カナッペなどが振る舞われた。参列者は出された飲み物だけでは足らずに、バーでビールを何杯も飲む人さえいて、流石英国!と思える感じだった。
ほろ酔いどころか、かなり酔った頃に披露宴会場に移り、食事となった。日本の場合は余興や長い新郎新婦の両親からの挨拶、友人の挨拶、隠し芸?などがあるが、こちらは各テーブルについている参列者と話をして交流を深める目的もあり、余興はなく、新郎新婦、新婦の父、新郎のベストマンの短い挨拶のみであった。ここでも白ワイン、赤ワインが引っ切りなしに自分のグラスに足されていく。
このホテルの食事は非常に美味しく、誰もがおかわりが欲しいと思うくらいであった。そしてウェディングケーキ入刀式があり、又、場所を移動し、そのケーキとコーヒー、紅茶が振る舞われる中、他の新郎新婦のご家族、友人と話が盛り上がり、気がつくと22時を回っていた。参列者のほとんどはこのホテルに宿泊しているので、明け方までディスコ音楽が流れるフロアーで踊り続けるというのが風習?らしい。私は翌日も仕事があるため急いで帰途についた。こちらの結婚式は何度出席しても楽しく、格式ある伝統を重んじながら、新しい文化もしっかり取り入れられる国民性なのだとあらためて感じた。
チャペルの上が披露宴会場 (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
あっさり目なのに味わい深いスモークサーモン タルタル (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
絶品トリフと人参ピューレ、ローストチキン (c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
食べた瞬間幸せ感を味わえるダークチョコレートのテリーヌケーキとピーナッツアイスクリーム
(c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
〜引き出物の中身〜
「二日酔いの人へ
二日酔いは一日だけ
メモリーは一生」
というメッセージと共にユーモアたっぷりの
二日酔いキットが入っていた。
1ペニーコイン:飲みすぎて一文無しにならないのを防ぐ?
コーヒー:元気を取り戻すため
鎮痛剤:二日酔いの頭痛用
消しゴム:酔った時の失態を消すため
スイーツ:みんな甘いものが好きだから
Jagermeister:ドイツのハーブ酒。二日酔いの薬?(オリジナルレシピは56種類のハーブ、スパイス、ベリーなどが含まれ、1934年に作られ始めたとか。現在はシナモン、スターアニス、クローブ、ジンジャールーツ、コリアンダー、ラベンダー、ローズヒップ、等が入っている。昔は薬としても使われていたこともある。)
(c)J News UK. Photo: Chikako Osawa-Horowitz
結婚式会場:
Ashdown Park Hotel and Country Club
Wych Cross, Near Forest Row, East Sussex, RH18 5JR
01342 824988
enquiries@ashdownpark.com
https://www.ashdownpark.com/