ロイヤル・オペラ・ハウスにて、ロイヤル・バレエ団「ドン・キホーテ」 -2019年3月-


Royal Ballet ‘Don Quixote’ at the Royal Opera House/ Live Cinema

ロイヤル・オペラ・ハウスにて、ロイヤル・バレエ団「ドン・キホーテ」

2019年2月15日~4月4日まで

2019年2月19日 (劇場/ライブシネマ)

出演

キトリ:高田茜

バシリオ:アレキサンダー・キャンベル

最近のロイヤル・バレエ団は若手プリンシパルたちの活躍が目まぐるしく、特に日本人ダンサーは、注目株と言えよう。

ロイヤル・バレエ団の「ドン・キホーテ」は、2月15日から4月4日までロイヤル・オペラ・ハウスで公演され、チケットもほぼ完売になるほどの人気である。今年6月には日本での公演が決まっており、クラシックバレエの中でも一際、華やかでダイナミック、且つ高度なバレエテクニックもあり、世界中の多くのバレエファンから愛されている。

この作品は、2013年にキューバ出身、元ロイヤル・バレエ団プリンシパル、カルロス・アコスタ氏の演出と振り付けで制作された。今まで以上に本格的なスパニッシュダンスの動きを取り入れ、切れの良い踊りと演技に仕上げ、男性ダンサーの活躍場面も多く、男らしい踊りも楽しめるのが特徴である。また、1つ1つの役は異なるテクニックを要し、一人のダンサーの、一つの踊りにも可能な限りの時間を掛けているため、その完成度はとても高い。

そしてカルロス氏が特にこだわったのは、2幕のジプシーの場面で、ジプシーたちの踊りをもっとリアルに表現するために、オーケストラとは別に3人のスパニッシュギター奏者を役者風にみたて、舞台上で演奏するという試みだった。そのチャレンジは成功し、場面の流れはとても自然で、観客からは彼らが役者なのか、ギターリストなのか分からないほどうまく溶け込み、その場面は生き生きとしたシーンとなっている。

高田氏は華奢な体つきからは想像できないほどの、スタミナを持ち、優雅で力強く素晴らしいダンスと、キトリの持つ自信過剰で、ちょっと小生意気な性格を十分に表現、観客を魅了していた。若手プリンシパルとして活躍が目覚ましいキャンベル氏は、ロイヤル・オペラ・ハウスのインタビューの中で、高田氏の実力に負けないように自分も頑張ったと語った通り、素晴らしいバシリオを踊りきった。彼の今後の活躍が楽しみである。

ダンサー、一人一人のエネルギッシュな踊りは最初から最後まで続き、彼ら自身も楽しんで踊っているのが観客にも伝わる程で、劇場が明るく幸せな雰囲気に包まれているようだった。ただ1つだけ残念なことは、この日はエスパーダ役が、平野亮一氏ではなかったことだった。彼以上にこの役をこなせるダンサーはいないのではないだろうか。

なお、この日の公演はロイヤル・オペラ・ハウスより世界26か国、1,000以上の映画館でライブシネマとして流された。映画館で観るバレエは劇場とは一味違い、リラックしながら大画面に映るダンサーの顔の表情、バレエの細かなテクニックも観ることができるのはとても魅力的である。

Akane Takada as Kitri in Don Quixote, The Royal Ballet

© 2019 ROH. Photograph by Andrej Uspenski

Alexander Campbell as Basilio and Akane Takada as Kitri in Don Quixote, The Royal Ballet

© 2019 ROH. Photograph by Andrej Uspenski

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