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国際女性デー: 国連シネマ 主催 女性戦場ジャーナリストドキュメンタリー映画「アンダー・ザ・ワイヤー」

International Women’s Day on 8th March 2019

UN CINEMA: “Under The Wire” presented by United Nations Regional Information Centre at the British Museum

2019年3月8日、国際女性デー

国連シネマ主催:女性戦場ジャーナリスト ドキュメンタリー映画「アンダー・ザ・ワイヤー」大英博物館にて

Paul Conroy, Chris Matin, Jackie Harrison, Deborah Seward

(C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

After the movie, discussion:

Director of the film: Chris Martin

Under The Wire Photojournalist: Paul Conroy

UNESCO Chair on Media Freedom, Journalism Safety and the Issue of Impunity: Jackie Harrison

Director of the United Nations Regional Information Centre (UNRIC) in Brussels: Deborah Seward

対談:

映画監督:クリス・マーティン

ドキュメンタリー出演フォトグラファー:ポール・コンロイ

ユネスコ メディアの自由、ジャーナリストの安全と免責問題の代表:ジャッキー・ハリソン

国連、地域情報センター・ブリュッセル・ディレクター:デボラ・セワード

(C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

国際女性デーは、日本人にはそれほど馴染みはないが、毎年3月8日に世界の国々で女性のための記念日として祝われている。元々は1904年、婦人参政権を求める運動がニューヨークで起きたのをきっかけに、19010年、ドイツの女性社会主義者により「女性の政治的自由と平等のため」の記念日として始まったとされている。国連は1975年にこの日を「国際婦人デー」と定めた。

この日を公式祝日と定めている国は、アフガニスタン、アンゴラ、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ブルキナファソ、カンボジア、中国(女性のみ)、キューバ、ジョージア、ギニアビサウ、エリトニア、カザフスタン、キルギスタン、ラオス、マダガスカル(女性のみ)、モルドバ、モンゴル、ネパール、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウガンダ、ウクライナ、ウズベキスタン、ザンビア。(アルファベッド順)

また公式祝日ではなく、政治的な意味合いもないが、男性が女性を尊重する日として祝っている国は、ベトナム、カメルーン、チリ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、ルーマニア。(アルファベッド順)

(C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

Karen Davies (C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

この国際女性デーに伴い、国連シネマ主催、ドキュメンタリー映画「アンダー・ザ・ワイヤー」が大英博物館にて1日限定公開された。このイベントの目的は、日々地球の至る所で、ジャーナリストたちが殺害され、その犯罪を多くの人に知ってもらうためである。確認されているだけでも2018年は53名、2017年は81名のジャーナリストが殺害された。ジャーナリストは故意に隠された真実、不正、犯罪を暴き、人々に伝えようとし、命を失っている。

このドキュメンタリー映画は、米国ジャーナリスト、マリー・コルビン氏と戦場カメラマンのポール・コンロイ氏が、2012年シリア紛争地区での取材の様子を描いたものである。コルビン氏は、英サンデー・タイムズの戦場特派員で、黒い眼帯を付けた勇敢な女性ジャーナリストとして有名であった。彼女はそれまでもシリアに限らず、世界中の紛争地域を取材し、多くの人が知ることのできなかった現地の状況を的確に世界に伝えていた。

2012年のシリア内戦では、政府側は一般市民に対し爆撃はしていないと世界に発信していた。しかしマリー氏が見た現場はそれとは全く異なり、市民は毎日近所で鳴り響く爆撃音に怯え、建物の陰から狙い撃つスナイパーのマシンガンの弾を避けながら命がけで道を渡る様子を伝えた。彼女は目の前で罪もない一般市民が殺されていく事が許せなかったのである。そしてシリア政府は外国人記者がいる建物も見つけ出し砲撃、同年2月22日、彼女はその犠牲となり帰らぬ人となった。幸いカメラマンのコンロイ氏は命は助かったものの足に重傷を負い、すぐにはシリアから出られなかった。砲撃はますます酷くなっていったが、最終的に命からがら脱出することができた。

彼には重要な使命があった。生きて戻り、この真実を世界のより多くの人に伝えなければならないという事。それは命がけで取材を一緒にしてきたマリー氏への想いも込められているであろう。

Deborah Seward (C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

映画鑑賞後、映画監督のクリス・マーチン氏、カメラマンのポール・コンロイ氏、ユネスコのメディアの自由の代表であるジャッキー・ハリソン氏、国連地域情報センター、ブリュッセルのデボラ・セワード氏の4人による対談が行われた。監督はこの映画を作る際に、1つ1つの映像の撮影された場所や日時をしっかり割り出し、正しい情報として観客が理解できるよう細心の注意を払ったと語った。ポール氏は映画では描がききれなかった当時の生々しい様子を捕捉。彼のユーモアある言葉に客席からは何度も笑いが起こった。最後にジャッキー氏の「私たちは知ってしまった事を知らなかったふりはできないのです。」という言葉がとても印象的であった。これがジャーナリズムの根本的理念であろう。筆者は、1月にジャーナリストであり、俳優、元国会議員の中村敦夫氏からこの言葉を聞き、今回で2回目であった。

監督のクリス氏を始め、戦場カメラマンのポール氏もより多くの人にこの映画を観て頂きたいという事で、もし上映されたい団体がいるのであれば、J News UKまでご連絡を。

Paul Conroy (C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

Paul Conroy, Chris Matin (C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

Chris Matin, Jackie Harrison (C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

Paul Conroy, Karen Davies, Jackie Harrison, Chris Matin, Deborah Seward

(C) CinéONU. 'Under The Wire' at British Museum

筆者(C) Ciné-ONU. 'Under The Wire' at British Museum

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