Photo London 2019: サマーセット・ハウスにてフォト・ロンドン展覧会

16.05.2019

 

 

 

Summerset House (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

Photo London 2019 Exhibition at Somerset House

16 - 19 May 2019

https://photolondon.org/

 

サマーセット・ハウスにてフォト・ロンドン展覧会

 

今年で5年目の開催となるフォト・ロンドン国際展覧会がサマーセット・ハウスにて16日から一般公開される。

 

また過去最大規模の、24カ国から世界的に有名な約100のアートギャラリーが参加。この展覧会の一番の注目はイギリスを代表する写真家、スティーブン・ショア氏の特別展示と女性写真家の作品を多く取り揃えたことであろう。

 

15日10時半頃からスティーブン・ショア氏と女性写真家、メリー・マッカートニー氏との対談が行われ、それぞれ自らの写真に対する思いや写真家になった経緯などを話してくれた。

 

 

 

 

 

左からスティーブン・ショア氏、メリー・マッカートニー氏、MCのウィリアム・イウィング氏 

(c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

スティーブン・ショア展 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 

広々としたサマーセット・ハウス敷地内の地下1階から地上1階まで、3フロアーにそれぞれのセクションごとに分けられた作品が展示されいる。

 

 

 日本人フォトグラファー

日本からは長澤章生ギャラリーが参加。日本をリードする写真家の白黒の写真を展示。独特の感性が展示物に表れ、同じパビリオン内のヨーロッパ展示物とは全く異なった空間を作り出している。また、アジアからは台湾のUPギャラリーが参加し、こちらはどちらかというと欧米人が抱く「アジア」を強調した写真や巻物が多くあった。特に深い山岳地帯に霧が立ち込める写真は欧米人の目にとても印象的に写っていたようだ。

 

長澤章生ギャラリー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

台湾のUPギャラリー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

日本人写真家の写真のみを取り扱うベルギー、アントワープのアートギャラリー、居場所(Ibasho)など、世界各国で日本人フォトグラファーは活躍している。そして、そのテクニックも一貫しているわけではなく、個性的でユニークな技法、又は表現方法を使っている。

 

ベルギーのIBASHOギャラリー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ベルギーのIBASHOギャラリー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

他の欧米のギャラリーでも日本人の作品が目に止まった。

 

ケンタ・コバヤシ (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

マサヒサ・フカセ (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

タカシ・アライ(鏡に現像されている作品) (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 進化し続けるフォトグラフィーの世界

写真が今のようにデジタルではなかった時代は、現像するにも手間が掛かった。その中で一番主流だったのは、銀塩写真というプロセスである。しかし、近年では銀塩写真(ゼラチン・シルバー・プロセス)のみならず、油絵のキャンバスにプリントをして油絵のように見せたり、またはガラスを使用し、立体感と光沢を見せるなど様々な表現法を用いて、見る者の目を楽しませてくれた。また、ポートレートや美しい風景写真も多く展示される中、フォトジャーナリズムの写真も多くあり、世界情勢を表現する作品も合った。

 

ガラスに現像された作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

無数のワイヤーに印刷され遠方からは写真に見える作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

まるで絵画のような写真 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

写真と映像のコラボレーションされた作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 女性フォトグラファー

対談にも登場したメリー・マッカートニー氏の作品は入口から入ると、中央に設置されたパビリオンの右側の壁にロイヤル・バレエダンサーの日常の写真を展示。「オフ・ポイント(OFF POINTE)」と名ずけられたこのプロジェクトは、普段優雅に美しく舞台で踊るバレエダンサーたちが、その裏でどれだけ過酷なトレーニングをこなし、精神的にも肉体的にも常に自分の限界にチャレンジしている事を表現。

 

メリー・マッカートニー氏の作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

その反対側の壁にはレイチェル・ルイス・ブラウン氏のやはり躍動的なダンサーと思われる人物が映った写真などが展示されていた。彼女のプロジェクトは「シミレーション(SIMULATION)」であり、環境によって社会がどのように活気付くかといテーマである。

 

レイチェル・ルイス・ブラウン氏の作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ビビアン・メイヤー氏は主に生涯を通じて自分自身のポートレート作品を生み出してきた。当時のカメラは全てマニュアルで、大きく重い。まさに女性でプロのフォトグラファーになるのは稀な時代でもあった。彼女自身のポートレートを通し、彼女の人生の変化と時代の移り変わりを感じられる展示になっている。特に赤ちゃんの乗っていないベビーカーに、彼女の脱げた片方の靴と、彼女の影を映した写真もとても意味深く、見ている人の想像力を掻き立てる。

 

ビビアン・メイヤー氏の作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ビビアン・メイヤー氏の作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

また、ビビアン氏は子供に対しての愛情が深く、訪れる街で子供の写真を撮っている。特に印象的だったのは、10歳に満たない少女が腕組みをして立っている。何日も顔すら洗えないのであろうか、顔は砂埃で汚れているのだが、大人がするような時計を腕につけている。そのなんともいえないアンバランスを捉え、その少女を通して社会的背景が浮かび上がってくる。

 

 ビビアン・メイヤー氏の作品 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 各国のユニークな写真

ラトビア、リガから参加したカラバ・コンテンポラリー(careva contemporary)は、ユニークな作品を展示。この写真家は2012年から集めている各国のスーパーで買い物をした本物のレシートを購入した物の横に貼り付けるという作品である。一見、このようなコンテンポラリーの芸術も確かに存在するであろうと、それほど期待はなかったのだが、実はその買い物した1つ1つの物には意味が込められていた。3つのブラシが写っている写真は、ブラシを現地の言語で発音をすると、ロシア語の意味では「尻軽女」になり、この場合はこのアーチストがある女性に対し、間接的なメッセージを表していることが分かる。

 

アイベス・グラヴァレジス (Ivars Gravlejs) 氏の作品、カラバ・コンテンポラリー(careva contemporary) 

(c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

また、ロンドンのギャラリー、レタジェ(l’étrangere)では、ポーランド出身の写真家、ジョアンナ・ラジャコワスカ氏の「石と他の悪魔」というタイトルの写真を展示。彼女は環境問題や国家間の紛争等に興味があり、たまたまパレスチナを訪れた時に、地下深くから掘り出された石を店の隅や棚に売ることもなく無造作に置かれている様子を見て、その石にどういう意味があるのか興味を持った。現在でもパレスチナの土地はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地とされ、それにより様々な紛争が日々起きている。ギャラリーのオーナーの話によれば、宗教ができる以前はパレスチナの土地は呪われた土地という伝説があり、その地下深くの石はまるで目や口などがあるように見えるものが多く、それが悪魔とされているそうだ。その悪魔が人間同士の摩擦を引き起こしたり、環境を破壊していると考えているのであろう。

 

レタジェ(l’étrangere)ギャラリー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

悪魔の顔に見える石たち (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ここでは紹介しきれないほどの数多くの素晴らしい写真が展示されており、普段見ることのできない素晴らしい作品を見れ、購入することも出来る。

 

野生の動物と生きる人々 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

バレエ界のスーパースター、ルドルフ・ヌレエフ (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ジョン・レノンを始めとる著名人の写真 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ボリショイ・バレエ団のダンサー (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

ギャラリースタッフの説明を興味深く聴く人々 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

写真のコンセプトに合ったオブジェなども展示 (c)J News UK. Photo:Chikako Osawa-Horowitz

 

 

 

 

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

Copyright © 2017 J News UK 2017