ドキュメンタリー映画『Walk With Me』~マインドフルネスの教え~

08.08.2019

Photo: @walkwithmefilm

 

 

上映時間:1時間42分

公開:2018年1月5日(イギリス)

 

監督:マーク・J・フランシス/マックス・ピュー

製作:マーク・J・フランシス/マックス・ピュー

編集:マーク・J・フランシス/マックス・ピュー/ニコラ・ショドールジュ/アラン・マッケイ

音楽:ジャーメイン・フランコ

ナレーション:ベネディクト・カンバーバッチ

出演:禅僧テック・ナット・ハン


 

予告動画

 

 

2018年にイギリスで公開された「マインドフルネスの教え」(邦題)は今年の夏、ロンドンで再上映されている。ベトナムからフランスへ亡命した禅僧テック・ナット・ハンがプラム・ヴィレッジという仏教コミュニティを設立し、そこでの僧たちの生活、訪れる一般の人々を3年以上に渡り撮影したドキュメンタリー作品である。

 

上映されている映画館もロンドンの中心部から離れた場所であったため、てっきり客足もそれほどないと予想していた。しかしその予想を裏切り、会場は満席、上映時間を過ぎても人々が続々と館内に入ってくるため、予定上映時間を15分過ぎてからのスタートとなった。客層もアジア人よりも断然西洋人が多く見られ、禅僧テック・ナット・ハンがいかに世界中で知られているかが分かる。

 

豊かな美しい自然に囲まれたプラム・ヴィレッジは、フランスの南東に位置し、風の音、雨の音、虫が動く音など、日頃気にも留めないような自然の音に囲まれて、私たちは生活していることを実感し、都会の喧騒から逃れ、真剣に自分を見つめ直すには最適な場所である。

 

東洋人、西洋人という人種を問わず、世界中から心の拠り所を求めてこのビレッジに辿り着く人々。禅僧テック・ナット・ハンの法話や僧侶の奏でる音楽と歌声がそこを訪れた人たちの魂を揺り動かすのか、知らぬ間に涙を流す人、その場で泣き崩れる人、心の奥に深い温かみを感じる人、各々が違った「何か」を受けとり、自分の中にある悲しみや苦しみから解放され、本当の幸せを見つけ出していくのであろう。

 

施設内に設置されてある鐘や柱時計は15分ごとに鳴り、全員、今行なっている動作をやめ、静止する。人と話していようが、音楽を奏でていようが、鐘の音が鳴りやむまでジッとするというルール。いかに現代人は時間に追われ、忙しく日常を過ごしているかを感じさせられた。

 

また、ニューヨークを訪れた僧侶たちが、慌ただしいマンハッタンの街角で座禅を組み瞑想をしたり、少年院のような場所を訪れ、罪を犯した子供達と交流するシーンなどがあり、ただプラム・ヴィレッジを訪れる人々だけを対応するのではなく、自らも世界中を回って、人々がどうやったら幸せになれるかというヒントを与えている。

 

そしてナレーターであるベネディクト・カンバーバッチの深みのある低い声は、観客の耳に心地よく響き、彼が読み上げるテック・ナット・ハンの言葉は私たちの心にずっしりと届く。

 

日頃から身近に仏教という存在に触れている日本人にとっては少々、見応えの少ない仕上がりかもしれない。欲を言えば、禅僧テック・ナット・ハンがどのような経緯でフランスに辿り着いたかなど彼自身の壮絶な人生を回想映像として入れ、そして現在はこのような活動を行なっているかを紹介する方が親切であるように思えた。また、映像からは状況を読み取ることが難しく、ナレーションを所々に入れ、映画全体を「ポエム」のような試みをしている。本作撮影後、禅僧は脳出血に倒れ、一時期昏睡状態に陥るも回復し、現在はプラム・ヴィレッジにて療養中である。

 

Photo: @walkwithmefilm

 

 

Photo: @walkwithmefilm

 

 

Photo: @walkwithmefilm

 

 

 

禅僧テック・ナット・ハン:

1926年ベトナム中部に生まれ、のちに出家し禅僧となる。1950年には禅道場を設立し、ベトナムで初めて外国語や科学、哲学の授業を僧侶の学習の一環として取り入れた。しかしベトナム戦争が激しさを増す中、修行の他に被災者や難民救済を行い、孤児たちの社会支援、多くの遺体の回収など様々な活動を行なった。そのような活動はアメリカのキング牧師にも影響を与え、彼の推薦により1967年度ノーベル平和賞候補にもなる。1973年、パリ平和会議にベトナム仏教と主席代表として参加するも、本国ベトナムから入国を拒否され、1982年フランスへ亡命し、多くの人々に瞑想、精神指導を開始。小規模だった彼のセンターも今では世界的に有名で最も活動的な仏教僧院となる。

 

プラム・ヴィレッジとマインドフルネス活動:

年間を通して短期、長期、瞑想会を行なっており、世界40カ国以上、

1万人以上の人が訪れている。今年4月、5月は13人の僧侶が来日しマインドフルネスツアーを行なっていた。日本国内でも禅僧テック・ナット・ハンの教えを元に活動が行われている。

 

マインドフルネスとは:

(ホームページより)https://www.tnhjapan.org/mindfulness-breath

「 マインドフルネス 」 とは、「 今というとき瞬間に目覚めている力(エネルギー)」 です。ここでは毎日の生活の一瞬一瞬で、生きることに深く触れることを続けていくよう実践します。

 

マインドフルであることは、あなたが今ここにしっかりと生きることであり、あなたのまわりの人たちや身の回りで起きていることと、一つになることです。

 

お皿を洗っているときも、車を運転するときも、朝のシャワーを浴びるときも、いつでも心と体をひとつに調和させるようにします。

 

このプラクティスでは、一日を我々が家にいる時とほぼ同じように過ごします。


ただ、歩いたり、座ったり、食べたり、何をしていてもここではそれらをマインドフルにしっかりと意識して行います。


座禅している時だけではなく、一日のあらゆる場面でも実践は続きます。

 

 

プラム・ヴィレッジのスタイル実施法はこちらから:

https://www.tnhjapan.org/plumvillage-style-practice

 

5つのマインドフルトレーニング法:

https://www.tnhjapan.org/5mt

 

マインドフルネスお問い合わせ(日本語):

https://www.tnhjapan.org/

 

プラム・ヴィレッジお問い合わせ(英語、フランス語、ベトナム語):

https://plumvillage.org/

 

 

 

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