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NHKドキュメンタリー「バレエの王子になる」放送後インタビュー:マルコ・ユリウス編


6月キャサリン宮殿で行われた卒業式

©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой. Photo: Andrew Lush

ワガノワバレエアカデミー卒業、マリンスキーバレエ団入団、

マルコ・ユリウス NHKドキュメンタリー「バレエの王子になる」

放送後インタビュー

日本では9月上旬より、BS1で密着ドキュメンタリー番組「バレエの王子になる」が放送され、その後も11月下旬に地上波で再放送、多くの反響を呼び、その後NHKワールドでは英字幕を入れ世界中に配信された。バレエを愛する人だけではなく、世界の多くの人たちに感動と希望を与える番組となった。3回目はフィンランド出身の笑顔が素敵なマルコさんに番組を観ての感想を聞くことができた。(2020年1月下旬ロンドンにて)

マルコさんは、フィンランド人の両親を持ち、フィンランドで生まれ育った。幼い時からバレエに興味を示し、14歳という若さで一人ロシアに渡り、バレエ留学を始める。2015年、ワガノワ・バレエ・アカデミーに編入、のちにツィスカリーゼ校長のクラスに選ばれ、ミーシャさんと同様、2018年10月に行われたワガノワ・プリや2019年3月にモスクワで開催されたロシアバレエ大会でも素晴らしい成績を納めた。同年6月にアカデミーを卒業し、その後すぐにマリンスキー・バレエ団の一員となった。

J = J News UK

M = マルコ・ユリウス

J: 日本では9月にBS1でワガノワ バレエ アカデミーのドキュメンタリー番組が放送され、4人の男子生徒の一人として紹介されましたが、放送を観てどのように思いましたか?

M: とても良かったです。再放送も何度もされ、世界中のたくさんの人が視聴してくれたようでそれも嬉しいです。

J: このドキュメンタリーは学校のありのままを見せていたと思いますか?

M: そう思います。しかも退屈な場面ではなく、興味深い内容を番組で見せていたと思います。

J: 興味深い内容とは具体的にどんな事ですか?

M: 例えば卒業試験や就職のためのオーディションの様子などで、毎日の生活とは違ったところです。きっと僕たちが毎日同じコンビネーションの練習や日々のルーティーンだけでは視聴者はつまらないと思います。

J: ツィスカリーゼ校長はインタビューでバレエの世界では自分の努力と情熱のみ、コネも何も通用しないと語っていましたが、本当にそう思いますか?

M: はい、100%そう思います。努力なしではバレエダンサーにはなれないです。

J: この撮影がされたのは8年生(最終学年)という一番大事な時期に数ヶ月間行われたわけですが、卒業試験、バレエ団のオーディション、卒業公演リハーサルなどには精神的に影響はなかったですか?

M: 全くなかったです。しかも常にニコライ校長の周りにはあらゆるメディアが撮影をしているので、撮影されることには慣れています。でも朝早くからの撮影は嫌ですね。僕はそれ程撮られなかったですけど(笑)

J: このドキュメンタリーでは寝ているところを撮られてましたがそれはどうでしたか?

M: 全然気になりませんでした(笑)それどころか面白いというか、新鮮で、同時に変な感じでした。

J: 3年間のワガノワ バレエ アカデミーでのトレーニングを終えて、今、思うことは何ですか?

M: とにかく就職できてホッとしています。そのために一生懸命頑張ってきましたから。お世話になった全ての先生に感謝です。自分が今こうしてプロになれたのは先生たちのお陰です。

J: 外国から来た留学生とロシア人生徒への指導などの違いはありますか?

M: 特に感じたことはないです。僕の先生方はみんな親切で、フェアに感じます。

J: 現在(2020年1月下旬インタビュー)マリンスキーバレエ団でプロのダンサーとしてどのような感じですか?

M: ほぼ毎日舞台で踊ることができて本当に嬉しいです。新しい役やソロパートももらえ、プライベートのコーチングもしてもらっています。全て順調です。

J: ロシアのマリンスキーバレエ団に初のフィンランド人として入団した事についてどう思いますか?

M: 素直に嬉しいです。14歳からロシアに留学して頑張ってきた甲斐がありました。自分の努力が報われた気がします。

J: フィンランドのメディアの反応はどうですか?

M: 多くの取材を受けたり、自分に関する記事を目にするようになりました。他のフィンランド人ダンサーからメッセージも送られてきて、僕がバレエダンサーとして取材を受ける事で、フィンランドのバレエ界に注目が集まるからありがとうという感謝のメッセージです。今までフィンランドでは殆どの人がバレエに興味を持っていので、ダンサーが誰だとか、バレエ団さえもよく知りません。なので僕がきっかけとなって、もっとフィンランドでバレエが注目される事をダンサーはみんな楽しみにしています。

J: 話は変わりますが、日本にもムーミンランド最近できました。以前確か、フィンランドのムーミンランドで働いたことがあると伺ったのですが。

M: 英語でなんて言うキャラクターだったかな。。。(英語でインタビューを行なっている)そうそう、茶色の悪いキャラクター、スティンキー(茶色又は黒で描かれている)の役でした。11歳、12歳、だったか、12歳、13歳だったか、2年間、夏にマスコットの着ぐるみをして働らいていました。テーマパークは夏しか営業できないので。

J: その仕事はどうでしか?

M: 楽しかったですよ。スティンキーはお巡りさんキャラとペアを組んむんですが、そのペアになった年上の人がよく面倒をみてくれました。スティンキーは悪者キャラなので、来場者にイタズラをすることが仕事なんです。来場者の帽子を取ったり、(お巡りさんキャラが帽子を返還する)お巡りさんから逃げ回るように走っり回ったり。楽しい仕事でしたが、常に着ぐるみを着て走っているので疲れました。フィンランドでも夏の2週間は25度くらいまで上がります。

J: インタビューも最後になってきましたが、ワガノワの先生たちへメッセージをお願いします。

M: すでに何度も個人的に感謝を伝えているので、あえてここで繰り返し言う必要はないですが、ツィスカリーゼ校長をはじめ、全ての先生に大変お世話になり、感謝しかありません。

J: 今回番組を観てファンになった人たちへのメッセージをお願いします。

M: え?ファン?僕にファンがいるんですか?(笑)もし僕にファンがいるのであれば、ファンの皆さんに会ってみたいし、みんなに僕のパフォーマンスをたくさん観てもらいたいです。本当にファンがいるのであればとても嬉しいですね。

J: ありがとうございました。

2020年1月下旬ロンドン滞在中

©️J News UK

2019年3月モスクワで開催されたロシアバレエ大会出場

©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年5月ワガノワバレエアカデミー留学生出演のガラパフォーマンス

©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой. Photo: Andrew Lush

2019年6月モスクワで行われたライブ放送バレエワークショップに

ツィスカリーゼ先生と生徒8人が参加

©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年6月卒業公演「パキータ」 ©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年6月卒業公演「せむしの仔馬」より海の王国

©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年6月キャラクターダンス試験後 ©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年6月クラシックバレエ試験後 ©️Академия Русского балета имени А.Я. Вагановой.

2019年6月キャサリン宮殿での卒業式後、ツィスカリーゼ校長を囲み、

ミーシャ、マルコ、アロンとその家族 ©️J News UK.

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