NK Ballet School - ナタリア・クレメン・バレエスクール10周年記念公演

著:Chikako Osawa-Horowitz/大澤史來


丁度10年前、一人のロシア人バレエリーナはロンドンを拠点とするイングリッシュ・ナショナル・バレエ団を退団することを決め、新たなチャレンジに挑む道を選んだ。ナタリア・クレメンがその人である。


夢はバレリーナ、その先には?

幼い女の子であったら一度は夢見るであろう「バレエリーナ」になるという事のほかにもう1つ夢があった。ナタリアはモスクワで生まれ、幸いなことに幼い頃からバレエの才能を認められバレエの名門であるボリショイ・バレエ・アカデミーでトレーニングを受けた。その後、様々な教育機関でバレエを踊るテクニックだけではなく、バレエを「教える」立場としての教育も受けてきた。


今ではボリショイ・バレエのテクニックのほか、ワガノワ・メソッドや英国ロイヤル・バレエのテクニックを習得し、その違いを理解し、それぞれの子供に合った教え方を実践している。


プロのバレエリーナになるのでさえ容易なことではない。小さい頃から毎日血の滲むトレーニングを繰り返し、先生に怒鳴られても涙がこぼれても、自分のありったけの精神力と根性で立ち向かわなければならない。しかも10年以上の長期戦である。それでも現実は厳しく、努力したからといって誰もがプロのバレエダンサーになれるわけでもないのだ。


経営者、指導者、母親業

ナタリアは過酷なバレエトレーニングを経験し、プロのバレリーナになり、今、バレエ学校の経営者として、バレエ指導者として成功している。また3人の子供の母でもあり、彼女の生活はとても目まぐるしい。一体どのように時間のやりくりをしているのか不思議なくらいだ。


今年は彼女のバレエ教室が開校して10周年という節目を迎え、300人以上の生徒の発表公演が12日(日)に行われた。また、NKバレエ学校にゆかりのある卒業生や関係者もゲストダンサーとして参加。その中にはマリインスキーバレエ団所属の大澤ホロウィッツ有論やボリショイ・バレエ・アカデミー生徒のマヤ・カーク、ワガノワ・バレエ・アカデミー卒業のグレース・リッドなどが参加。豪華な公演となった。




才能ある生徒への奨学金制度

また、ナタリアはバレエ学校を経営、指導するほかに、英国慈善団体にも登録し、金銭的にバレエ教育が受けられない才能ある生徒に奨学金制度を設けている。


5月23日には国連の傘下である国際慈善団体、ロータリー・クラブ・オブ・ロンドンの会合にゲスト・スピーカーとして参加し、彼女が行っている奨学金制度を説明。会合に参加していた会員は彼女の子供たちに対する情熱と惜しみない努力に心を動かされた。クラブからは500ポンドの寄付金を贈与され、今後はロンドンクラブとのコラボで様々なファンドレイズのイベントを行なっていく予定である。


写真左:(左から)ロンドンクラブ会長ディビッド・ジョンソン、ナタリア・クレメン、ロンドンクラブ副会長イアン・バルコン

写真右:(左から)ロンドンクラブ幹事大澤史子、クラブ会員、大澤ホロウィッツ有論、ナタリア・クレメン、ディビッド会長



ナタリア・クレメン・バレエスクール詳細;https://nkballetschool.com/